対ウマ娘好き向けレイパパレの血統の話

 

はいざっくり行きますよ

 

フローリスカップ

レイパパレの母馬だけをぐぐーっと遡っていくとフローリスカップという馬につながります。

この馬は、小岩井農場基礎輸入牝馬20頭のうちの1頭です。

 

(小岩井農場基礎輸入牝馬って?)

近代競馬が日本に導入された当初、日本の馬は非常にレベルが低いものでした。

それを解消するため、海外より種牡馬繁殖牝馬を輸入しようという動きが起こります。

ただ時代が時代、飛行機などなかったため、単に輸入するにも非常に多額の費用がかかることになり、輸入可能だったのは天皇家系牧場か財閥系牧場に限られました。

この動きの中で特に日本の競馬史に大きな影響を与えたと言われているのが、現在の成田三里塚にあった宮内庁所有種畜牧場の「下総御料牧場」、そして三菱財閥系牧場の「小岩井農場」。

小岩井農場が1907年に欧州より購入輸入した20頭の牝馬小岩井農場基礎輸入牝馬と称します。

 

この小岩井農場基礎輸入牝馬の中でも特に発展を見せた3頭(ビューチフルドリーマー、アストニシメント、フローリスカップ)を御三家と称し、内国産血統といえばおおよそこの牝馬に行きつくことになります。

例として、メジロマックイーンはアストニシメントにつながりますし、シンザンニッポーテイオービューチフルドリーマーにつながっていくわけです。

そしてフローリスカップ。こちらがおそらく輸入牝馬で最も成功した馬ということになります。

フローリスカップから出た名馬といえば…名牝ガーネツト、二冠馬コダマ、キタノカチドキカツラノハイセイコ、ニホンピロウィナー、中山大障害3連覇のポレールメイショウサムソン

ウマ娘ではスペシャルウィークマチカネフクキタルウオッカがこの牝馬に遡ることになります。

作中でフクキタルが口にする「シラオキ様」はフローリスカップから出た一大牝系の祖となる名牝シラオキを指します。

 

つまり、レイパパレは「日本競馬史でもっとも由緒ある血統の末裔である」ということを覚えておいてください。

 

月友

母馬を遡ると第三スターリングモアという馬にあたります。この馬の父馬が月友という馬。

この馬の母馬が先の項で触れた「下総御料牧場」が輸入した「下総御料牧場基礎輸入牝馬」の一頭、星友。

下総御料牧場小岩井農場に追従し、こちらは米国より牝馬を輸入します。

1926年に種正、種道の2頭

1931年に星旗、星若、星友の3頭

1932年に星濱、星富、星谷の3頭

これらは米国で受胎した状態で輸入され、その初子は種牡馬として活躍が期待されました。

その中でも星友は「米国史上最高の馬」とも言われるマンノウォーの子供であり非常に大きな期待がかかりました。

トウルヌソル、ダイオライト、月友といえば戦前を代表する種牡馬として活躍することになります。

ちなみにですが、この月友の半妹にいるのが牝馬のダービー馬「ヒサトモ」。ヒサトモの子孫といえば先のアニメの主人公「トウカイテイオー」。

ヒサトモの血統は競馬史から消えかけていたところを「トウカイ」の内村さんが手厚く保護したことで復興したことも知られています。

 

ウイニングチケット

説明いらないと思うんですよー。ウィキ見てください。

ちなみにウイニングチケットが血統に入った馬がG1勝ったのはレイパパレが初。

政人にダービー獲らせるために生まれてきた馬の評を今覆すことができたわけです。

ウイニングチケットの母馬を遡ると「コロナ」という馬がいますが、この馬の父は月友。

さらに「スターロツチ」はオークスと有馬を勝った牝馬で、マルゼンスキーも入ってるし結構派手派手な血統。

 

 

疲れたので終わりでーす。

ライスシャワー青薔薇炎上の件

 

 これの件の個人的な所感です。

 

1.筆者の情報

宗教:無宗教を標榜していますが、仏教とりわけ曹洞宗とかかわりがあります。また、幼少の折はカトリックともかかわりがあり、これらの宗教に思想的に影響を受けている可能性はあります。

 

競馬歴:最低でも20年程度です。とはいえ、物心ついたころには既に見ていたという程度ですし、あくまでも馬が走るのってかっこいいなくらいのかかわり方でした。明確に競馬というものを意識して見始めたのはディープのあたりです。子供の頃の遊び場が競馬場であった関係で古い馬でも話を聞かされていたりすればある程度知っています。

 

ウマ娘歴:明確にコンテンツに関わるようになったのはラジオ開始の頃ですので、4年半程度です。まあ新参の部類でしょう。

 

ライスシャワーへの思い入れ:ありません。

 

2.まず上記ツイートを受けての感想

まあこれくらいであればいいんじゃないかな、というのが正直な感想です。

まず日本においては特別な事情がない限り馬は仏教の形式で祀られることになり、ライスシャワーもその通りに祀られていますので、仏教のマナーに倣えば薔薇やアザミのような棘花は原則避けるべきです。

しかし、あくまでも原則であり、なんらかの事情があれば供花として用いることはできなくはありません。

今回の場合、ライスシャワーという馬を知るきっかけとなったキャラクターのモチーフとして青薔薇を供花として用いたいというのは心情的に理解できますし、問題はないと思われます。

ただし、これはあくまでもウマ娘という作品を知っているから理解できることですので、知らない人が見た時にどうなんだろう?と思う可能性は否めません。

 

3.その後に追加された情報とそれを受けての感想

 

 侮辱的である。というのが正直な感想です。

一般的な考え方かはわかりませんが、基本的に墓石や慰霊碑の類の上に物を置き記念撮影をするということは不快感を覚える人が出て然るべき行為だと理解しています。

私はライスシャワーに特段思い入れは持っていませんが、思い入れのある人がこれを見た時にどう思うかは、簡単に想像がついて当然だと思っています。

これに関してはこのツイートの投稿者もすぐ止めたと書いている通り、悪い行為であると理解しているわけです。これをネット上に投稿することで不快に感じる人が出ることは理解していたはずであり、なぜ投稿するに至ったのかが理解できません。恐らく自己顕示欲にかられたのでしょうが。

 

4.雑多なツイートに対する反応

※リンクははっつけませんが参考程度に

「献花した行為自体は尊いと思う」 そうですね。

「荒らさないならいいんだけどね」 そうだね荒らさないならね。

「たてがみ事件どうなったんだっけ」 起訴されてはいたと思いますけど。

「コーヒーとかはどうなんだ」 写真撮ってネットで公開してこれ俺が置いたんだぜーとかやったり、慰霊碑の上に置いてるわけでもないし、自己顕示欲を満たそうとしてるわけでもないんだし、まあいいんじゃないですかね。問題があればそのうち処分されるでしょう。

「何も知らなかったら青薔薇献花してたと思うし、自信なくなってきた」 青薔薇を献花すること自体は構わないと思いますよ。ただ、あまり一般的ではないですからあくまでも末席に加えさせていただく意識でいるとトラブルにはならないと思います。

ライスシャワー仏教徒ではない!」 馬が特定宗教の宗徒になったという話はオウム真理教しか知りませんね。文句はJRAやNARなどの団体へどうぞ。慣習的に馬頭観音のもとに祀られておりますので。

「慰霊碑は墓ではない」 類似相当として見られるのが一般的かと思いますがどうでしょうか。雫石や世界無名戦士の墓、靖国神社の名前を出すとイメージしやすいかと思います。

 

5.炎上を避けるにはどうすべきだったか

今回のケースで言えば、「余計なこと投稿しなきゃよかった」んじゃないでしょうか。

おそらく青薔薇が供えられてましたよだけであればそんな炎上するような話でもなかったでしょう。不快感を表す人はいたかもしれませんが、その感情の振り下ろす先もなかったわけです。

自己顕示欲が優先されてしまったばかりに、「不快感の行き先」を自ら作ってしまったのだから目も当てられません。

 

そもそも、今回の炎上は競馬ファン側が不快感をあらわにしたというたぐいのものではないと見ています。

どちらかといえばウマ娘ファン側で炎上に発展したものでしょう。

アプリリリース後にコンテンツに入ってきたファンはあまり知らないと思いますが、ウマ娘というコンテンツにとって、敵は他コンテンツのオタクと一部競馬ファンだった時代が長く存在しています。

たとえば「ウマ娘ファンに殺害予告されたから被害届を出してきた。警察からもウマ娘ファンの犯罪が急増していると言われた」とデマと中傷を流布されたパドック屋さん事件はその代表格でしょう。

それ以外にもこまごまとデマの類にさらされ、オタクからは相当馬鹿にされ続けた歴史があります。

その為、「競馬ファンやオタクに決して弱みを晒すな」という意識がコンテンツファンに強くある状態です。

こういった「攻撃の口実を与えかねない」振る舞いに対して、半ば警察じみた批判や不快感の表明が集まりやすいのがこのコンテンツの悲しい特徴と理解していただければと思います。

 

これで墓参などを怖いと思った方もいるでしょうが、あくまでも一般的な常識のもとに行動し、自己顕示欲をあらわにしなければ問題はない行為が大半です。

また、牧場訪問などもコロナ禍が明ければ行ってみたいという方もいらっしゃるでしょう。

競走馬のふるさと案内所

上記サイトなどで情報を収集し、サイト内に書かれているマナーを順守したうえで訪問見学することは歓迎される行為です。

不安であれば問い合わせなどしてもよいかと思います。

 

競馬ファン側もマナーの良い人ばかりではありません。万全に情報を調べて問題がないように競馬場や慰霊碑を訪ねてもトラブルに発展する場合もあります。トラブルに巻き込まれた場合には独力で解決しようとせず、必ず管理者や運営者に助けを求めることも覚えておいてください。

 

以上です。

例のはてブロのウマ批判のアレ

 

なんか記事のリンク貼ると養分みたいに反論記事への反論とかやってるみたいなので、リンクは貼らないけど、例の恋はダービーに妙に噛みついてた記事のアレです

個人的に思うとこだけガーっと書きます

読ませる気はない書き方です

 

 

楽曲シリーズでウマ娘プロジェクトは加速するのか?の章

>盤石の布陣で売れなかった理由はわからない(わかりません)が、当時の「競馬ファン側」の意見として多く目にしたのは(観測範囲の偏りもあるかもしれないけれど)、元ネタへの経緯を欠いている、という指摘。

  1. 馬主サイドと折り合いが悪いのか、理由も明かされないまま消去されるキャラや起用から外れる人気声優の存在
  2. ゲームもアニメも制作発表すらないのに、馬の名前だけ使って曲作って声優に歌わせてライブ・アイドル商売を始める敷居のまたぎ方
  3. 挙げ句に馬名名義で歌わせている曲の歌詞が元ネタと合っていない

 

1.2.はまあ御説ごもっとも。特に言うことないです。

3.はそもそもウマ娘コンテンツを履き違えているのでそこを指摘する必要があります。

 

【前提】ウマ娘は競走馬の擬人化コンテンツでありながら、単純擬人化コンテンツではない。

ウマ娘 プリティーダービー 公式ポータルサイト|Cygames

>INTRODUCTION>STORY にこう書かれています。

『「ウマ娘プリティーダービー」とは、かつて名勝負、伝説のレース、偉大な記録を生んだ競走馬の名前を受け継いだ「ウマ娘」たちが織り成すクロスメディアコンテンツ』『「ウマ娘」。彼女たちは、走るために生まれてきた。ときに数奇で、ときに輝かしい歴史を持つ別世界の名前と共に生まれ、その魂を受け継いで走る』

 

ウマ娘=モデル競走馬。この式は成り立たない。

ウマ娘とは、実在競走馬をモデルとしているのは事実であるものの、まったくの別個体としてとらえるのが自然な設定をしています。あくまでも彼女たちは「名前を受け継いだ」「魂を受け継いだ」存在であるだけです。性格などに差異を持たせても問題のない設定です。

 

”敬意”とは何でしょうか。非常に概念的な話です。明確な基準線を引きにくい。

ガッチガチにモデル馬の性格や容姿、逸話を踏襲し、オリジナル要素を含まないものでしょうか。

それであればスペシャルウィークは狡さと怠けっぽさを出さねばなりませんし、サイレンススズカは気性に難があり、ツインターボは人間不信のウマ恐怖症ですか。

それが”敬意”というのならいいでしょう。

批判をしたいだけだろうなと僕自身は受け取りました。

少なくとも歌詞から敬意を感じる感じないの話をするのなら、オグリキャップの『unbreakable』、メジロマックイーンの『Waiting for Tomorrow』には触れるべきでしょう。あれを聞いて敬意を感じられませんでしたと言うなら、今すぐに競馬が好きですと言うのを止めた方がいい。

 

 

TVアニメ版「ウマ娘」放送開始の章

>TVアニメのシリーズ構成は石原氏と、杉浦理史氏の連名。決して石原氏が一人でシリーズ構成を手掛けたわけではない。

>さて、コケにコケた楽曲展開、幻のゲームとなりつつあるゲームアプリとネタ性が先行し名高くなってきたウマ娘だが、このアニメ版がそこそこ好評のうちに幕を閉じた。史実に脚色を施したというシナリオや、それを通じて伝わる競馬という競技の面白さやキャラクターなどが特に評価されていたように観測している(筆者は未視聴)。大人気覇権アニメとまではいかずとも、ウケるのはこの路線なのではないか……?という手応えをウマ娘プロジェクトの中の人が感じ取ったのか、このTVアニメの放映あたりを境に、ウマ娘プロジェクトの方針転換がある。公表初期から始まる楽曲・ライブ・声優という軸から、競技(スポ根)・シナリオ・キャラクターという軸の押し出しが感じられるようになる。

 

石原がひとりで手掛けたものではないという事実をあえて強調する意味は次の章のため

 

 

石原氏のコンテンツプロデューサー退任と、さらに加速するスポ根路線の章

>2018年6月の記事でこう仰っていた石原氏は、2019年4月、ウマ娘プロジェクト公表から3年後、ゲームアプリのリリースを待たずしてCygamesを退職し、ウマ娘のコンテンツプロデューサーを退任となる。

>この時点で結果的に3年もの時間を浪費したことになったウマ娘プロジェクト。(時系列からもわかるが、立ち上げたわけではなく)「預かった」ウマ娘のプロジェクトでコンテンツプロデューサーとして大きい功績を残せていたのであれば、道半ばで役職を降りることもなかっただろう。ゲームアプリがリリースされ、それが大好評である今から見たら、より「2年前にプロデューサーを退任となって会社も退職した人のゲームが、当初から路線変更し大好評」であることが色濃く浮き上がってしまっている。その後、グッドスマイルカンパニーで仕事をしているという記事はあったが、何か具体的な実績を挙げているという話は耳にしていない。

 

踏み込んだ言い方をする。今放送中のウマ娘Season2の批判になってしまうが、今現在のアニメ展開路線は「史実を意識し」「スポ根路線を打ち出した」ではなく、「キャラを強調したキャラ萌えもの」路線です。当初方針に戻っています。

まあこの記事書いてる方はアニメ見てないって言ってますし、見てからものを言っていただきたいなーと思いますね。

もう一点。これは根拠のあることではなく。アプリをプレイしていて「現在アプリケーション上で展開しているストーリーに石原時代のものがある」ととらえています。これはSGシリーズをはじめ、過去石原時代に展開されたドラマCDなどのストーリーに基本的にすべて触れてきた中で出来上がったアンテナで判断しています。それ以上でも以下でもありません。たぶんメインストーリーは石原時代のものをそのまま使っています。あくまで技術的なブラッシュアップにとどまっているはずです。

まあ根拠がないですから、批判している記事と同レベルですね。

少なくとも、触れてすら来なかったくせに手のひら返してる人には「石原は大きな功績を残していない」とは絶対に言ってほしくないですね。ふざけるな。

 

 

決定的な転換点転換点の通過がハッキリした「シンデレラグレイ」の制作の章

オグリキャップの育成・笠松時代からスタートし、スポ根モノの基本中の基本、無名の超才能が努力によってスターダムにのし上がる様を描く。ハッキリ言って、これまでのク○プロジェクトは何だったんだってくらい面白い。トウカイテイオーに「逃げれない」とか歌わせてたプロジェクトから出てきた作品かこれ、という本格的なマジモノ。なんだったら、他は毛嫌いしてもいいからこれだけ読んでくれ。2021年まで来て正統派スポ根が大当たりし

 

大当たりっすか?あれ。僕は好きですけどねあれ。過去を否定しないと褒められてない時点であんまりシンデレラグレイの良さもしっかり認識してないんじゃないかと勘繰ってしまいます。

はいこの章の感想は完全な八つ当たりです。

次。

 

 

ゲームアプリがついにリリースの章

>最後に、この「当初の不義理も(ある程度)吹き飛ばす大ヒットゲーム」が生まれたキーポイントについて、私見を書いておきたい。それは、元ネタである競馬のスターホースたちをぞんざいに扱い、しつこい物言いとはなるが、トウカイテイオーに「逃げれない」と歌わせるような当時の方針が受け入れられなかったことにあるのではないかと思う。ゲームもアニメも具体的な制作発表がない、できない段階でそのような楽曲展開を先行させ、キャストをステージに上げ歌って踊らせ、「デレステ」のようなライブステージを売りにするようなゲームでは売れない、コンテンツとして成立しないと制作サイドに判断させたことで、ゲーム(やアニメも?)の制作方針が変わり、開発期間は長期化したがゲーム史に名を残すようなゲームが生まれたのではないかと考えている。蛇蝎のごとく「ウマ娘」を嫌っていた人々もそれに貢献してしまっている……と書くと嫌味や皮肉に聞こえてしまうかもしれないが、少なくとも「お気軽なアイドルゲーム、レースもちょっとあるよ」という内容よりは、マシに思えるのではないか(覇権ゲームになって解釈違いが大量発生するほうが嫌、という御意見ももちろんあるかと)

>当然、何らかの虎の尾を踏み抜いた形跡があるのは明らかで、それについてはいつか精算する時が来るのか、または十字架を抱えたまま終了まで行くのかはわからないが、横たわる黒歴史として刺さり続ける。

>「ゲームのスクショを見たけど、キャラがプレイヤーに気に入られようと媚び売ったり奇行に走らされているのを見ると残念な気持ちになる」みたいな感想をお持ちの方も「シンデレラグレイ」はそういうのないし漫画も上手いし面白いから、是々非々で先入観なしに、これだけ本当にオススメです。何よりも、最初にこれに出会いたかった。今は手に入らないけどな!(オチ)

 

僕自身はこの不義理というのがいまいちわからないんです。

というのも、このコンテンツの展開に関して、どういったコンタクトがサイゲ側からあったのかという部分の情報が馬主サイドから出たことがありました。

西山牧場常務の葉桐隆好氏(氏も個人馬主ではあるがここでは西山牧場代表者として)が何度かTwitter上にてこの件に関して触れています。

 

 

こちら。

すくなくとも対馬主の部分において、通常範囲の礼儀と筋は通しているわけです。

現在のアニメコンテンツグッズや版権絵はセクシャルな要素を避けえない部分がありますが、過去ウマ娘のその部分は徹底的にセクシャルな要素が排除されています。

馬主ないし周辺が流通前に目を通すことを前提として作られていることは明白であり、それは過去の石原時代以後の展開では徹底されていることとなります。(石原氏はイベント時折を見て「許諾を得て展開している」旨の発言を繰り返している)

 

では不義理というのはファンに対してでしょうか。

ファンの馬に対する向き合い方って千差万別ありますよね。

その不義理だという考えはあくまでも何万というファンのうちの一人の考え方でしかありません。

ネットでは批判が多かった?

批判するまでもないと考えている人は発言しません。サイレントマジョリティーの概念です。

逆に批判する人は繰り返し批判発言を繰り返します。ソースは僕。

 

僕自身は競馬が好きなことが前提でウマ娘コンテンツに入って4年と半年くらいになります。

僕は不義理ですか?

ちなみに僕は世話になった馬の引退後の世話を見ない人間は不義理だと思っています。

地方競馬最後の冬の時代を経験しているため、競馬場に足を運ばない奴は不義理だと思っています。

話題になった強い馬、都合の良い擬人的な馬の消費(擬人化じゃありませんよ?擬人的なです。)をする人間は不義理だと思っています。

指弾していいですか?

押し付けていいですか?

自分が嫌なら見ないという選択肢が取れます。ウマ娘を視界に入れるのは義務じゃありません。

不用意に過去を貶め不正確な情報をばらまく記事を載せるのは感心できません。それをした時点で、情報の流布に関する責任が発生します。

そこまで考えて流行に乗っかるべきでしたね。



公開してすぐになんですが、ちょっとだけ誤字とか修正しました。

世紀末覇王のこと

私はしゃべるとわりと古い競馬の話も見てきたように語るタイプの人間で、ウマ娘のメイン層の90年代の競馬ってのも結構見てきたようにしゃべるのですが、明確にレースの記憶があるのって実はディープインパクトのあの辺りからだったりします。(それ以前となると、かなり強烈なもの以外はあんまり……)
とある麻雀漫画でメガネを外すと過去の対局の記憶が思い出せてってキャラがいますが、あれを真似してみると「ああ、このレース見たことあるかも……」ってなるのがあるくらいで、それ以前はリアルタイムでは見てなかったり。
そんな感じでも見てきたように詳細をしゃべれるのって、まあ昔のレースや馬のことをしゃべるのが好きな人がいてそれを聞いてたからだったりする、つまり受け売りなんです。

そんな受け売りの中に強烈に覚えているワードがいくつかありまして。
その一つ「あの馬は観客を敵に回した」。
ライスシャワーの話ではありません。
『世紀末覇王』テイエムオペラオー、あの有馬記念のことを聞いていたときのワードです。

オペラオーといえば年間無敗の2000年、ここが想起される馬でしょう。
この結果を残した馬にしてはとにかく人気に欠け、というかこの時代が競馬人気に欠けた時代であったこともあり、その責任を背負わされ敵視された馬でした。
この馬の不幸は、とにかくライバルのバリエーションの無さにありました。
一着オペラオー、二着ドトウ、たまにトップロード。
黄金世代と呼ばれたスペシャルウィークの98世代ととにかく対比され、「オペラオーのせいで競馬がつまらない」と嫌われたわけです。
こういう話を教えてくれる競馬のおっちゃんはまあわりと割りきった人で「面白味はないけど、単勝買ってりゃあ儲かるんだからなんの文句があるんだか。ライバルがいないんだから。」って人でしたが。


将棋差しに谷川浩司という棋士がいます。
ちょうど羽生善治を中心とした羽生世代の一世代前に若き天才と呼ばれ、「光速の寄せ」と評される鋭い終盤の寄せを持ち味とした名棋士です。
彼は同世代に彼と比肩できるライバルとなる存在がいませんでした。
谷川は名人在位4期の名棋士ですが、大山康晴中原誠羽生善治といった新旧の世代を代表する棋士に比べ非常に地味かつ評価されない存在です。

何が言いたいかといえばオペラオーというのは谷川浩司のような馬ですということ。
前の世代にオグリの平成3強、トウカイテイオー、新平成3強、黄金世代、後の世代にはアグネスデジタルアグネスタキオンジャングルポケットクロフネといった新世代に、“近代競馬の結晶”ディープインパクト

彼らは強く、同時に孤独であり、それ故に爽快さ面白さを求める人々を敵に回すことになりました。

ウマ娘では一目能天気お馬鹿、そういったキャラゆえに観客からは愛されている設定ですけどね。
でもちゃんとシナリオを読み解くと、孤独がにじむ良いシナリオになってますよ。

締められないんで投げまーす。

今回の降板に思いかえすこと

相坂さんの降板が発表されまして
衣川さんのオタクが喜んでるのを見てもなんだかなぁなんて思ったりもするんですが

今でこそ僕も声オタですよという位置付けですが、ウマへの当初のアプローチは競馬好きの側からでした
所謂オリメン18名って後発メンバーとは少し違う、特別枠ではあります
リリイベ01の後に、競馬仲間の人に絡んでるんですが、「観客が固定の声優ファンで構成されていて、個人的に好きではない」とか言ってるんですよね
「競馬のことは知らんけど、サイゲが推し声優使ってるから見に行こうくらいの人が多そう」とか返事貰ってだよなーとかやってたので
根本的に役者もファンも信用も信頼もしてなかったわけです

僕は根本的にはウマ娘を嫌ってる競馬ファンには理解を示してる側です
パドック屋とか嘘までついて貶めようとしてるのは嫌いですが
自分がリアルタイムに見てなくても、思い入れを感じる馬は結構いますし、それぞれにどんな思いをもって馬主や関係者が接してきたかも当然のように伝え聞いてきてますから
それを弄り回されていい気がしないのはそりゃわかりますし
僕も「これきっかけで競馬に興味がなかった人も競馬に接してくれるといいな~」という考えがなければ、多分嫌ってる側に回ってたでしょうし

まあそんな感じなので、オリメンに関しては「この馬を演じるに値う人なのかな」という、今考えると上からも甚だしい感じで見てたんです
わざわざ言いはしませんが、この人はダメだろ…から、この人以外考えられない!までまあ評価は別れました
O西さんのとかはまあ、別件ですね
あれはメジロを馬鹿にしたと思ってますし、そもそも土俵に上がることを許したくない

相坂さんのナリブって……実はあんまり印象に残ってないんですよね、尖りのあるノンカラーって感じでした
ウイスキーでいえばニューメイク、これから熟成をさせて角を抜いてカラーをつけていく
だからまあ、06のリリイベのときとか、ナリブの曲だなぁとかナリブが歌ってるなぁとかも思わず、あぁ相坂さんってこういう方なのねと思った程度で
BNWの頃にはあぁだいぶ固まったなぁと思いましたね、今のシャドーロールの誓い聞いてみたいなぁと思いましたし

カラーがついてないことについて悪いとは思ってないんです
元コンテンツPの石原はそういうやり方を好むと思ってますし、いつものパターンね、じゃあ期待して見てましょうと
実際上手くいってたと思いますよ
別の方を例に挙げると、ゴルシとか発表当初は野原しん○すけさんですか?と思ってましたけど今となっちゃ上田さん以外考えられないでしょと
相坂さんもまあ休養で間隔が開いた分不利はあるけど、同じようにいくよねと思ってましたし

結果的に石原はいなくなり、相坂さんもいなくなり、なんの積み上げもなく新しい人がやってきた、まあそういう風になりましたとさと

で、どうしましょうねこれ
あんまり後発組に思い入れ持ててないんですよね僕は
ナリブも同じ感じになるのかな
あんまりシャドーロールの誓い歌ってほしくないんですよね、なんか違うなって思うし
だんだん頭髪と同じで関心薄くなってきたなぁ
なんだかんだオグリが変更とかにならなければ関わっていきますけどね
期待しにくくなりますなぁ……
あと10年やりますとかならまた話は別なんでしょうけど

刀使ノ巫女見たんだよねって話

 タイトル見たまんまですよ。

2年前くらいに勧められて、おっ見てみるか~と思いつつここに至って見てみたわけです。

 

 ストーリー重視でよくできてたと思いますよ。ストーリーってうな重で言えば鰻ですからね、一番大事。

 

 それぞれに割り振られた剣術がキャラクタにリンクしていることや、実際の立ち合いの描写なんかも、多少誇張こそあれ納得感のあるものでした。

 わかりやすいところで言えば、燕結芽が用いる「天然理心流」。たぶん用いられた剣術としては「二天一流」と並んで有名な剣術ですが、天然理心流4代新撰組局長近藤勇、同5代新撰組一番隊隊長沖田総司、と言えばまあわかりやすいですわね。頻繁に喀血してたのは沖田モチーフ。

可奈美が打ち合いでちょいちょい宙返りしてるのは柳生新陰流が体術含みだから、とか、姫和が覚醒したのが鹿島神宮なのは用いる鹿島神當流が祖である塚原卜伝鹿島神宮に千日参籠の末に鹿島の太刀を修得した事に依る、とかまあ言い出せばきりがないんでやめますが。完全な門外漢だし。

 

 僕が触れることといえば、少しの神道狛犬ですよ。

 なんでこの作品の敵がタギツヒメなのか、これちゃんと宗教的な歴史的な理由があります。

 この作品のキーはタギツヒメ、タキリヒメ、イチキシマヒメ

これは須佐之男命の子にあたり、十拳剣を元にして生み出された神様にあたります。

俗に宗像三女神。福岡県宗像市にある宗像大社を総本社に信仰されている神様です。ちなみに世界遺産

で、十拳剣というのが国産みの重要アイテムで、イザナギが黄泉の国より逃げ出す際にこれを振るって追いすがる八雷神と黄泉̪醜女を振り払い、黄泉平坂を岩で塞ぎ現世と黄泉の国を分かったと古事記に記されているわけです。この折に黄泉より「日に千の人の命を奪おう」と恨みが生まれ、イザナミは「日に千五百の人を産もう」と人を繁栄させたと。

 これを転じて、タギツヒメ、タキリヒメ、イチキシマヒメが揃ったうえで、怒りを担うタギツヒメが黄泉の国と現世を繋ぎ、これをもってイザナギの寵愛を受けた人を滅ぼさんとしたわけです。

 ちなみに当初御当主紫様をタギツヒメ依代にしていたのは、実際のタギツヒメがご神体として祀られる際に依代にしたのが紫玉と有職故実に記録されているからですね。細かい。

 もっといえば、タギツヒメを隠世に送るのに姫和が失敗したのに可奈美が関わることで送ることができたのは、宗像三女神を信仰する宗像民と可奈美の柳生新陰流がともに福岡に関係するためじゃないですかね。

 

 あともうちょいいらんこと考えますが、荒魂ってのはあれわかりやすく言えば鬼ですよね。

 可奈美の母の旧姓が藤原、藤原姓は鬼撃ちの逸話の残る一族で、鬼頭の姓は”鬼”撃ちの”頭”領藤原氏の末裔ってことで鬼頭っていったりしますしね。

あと姫和の母親の旧姓は柊。柊も鬼が嫌う植物って言いますわね。

まあそんな感じで。

ウマ娘 シンデレラグレイ の北原穣とは何者なのか

 ヤングジャンプで連載中のウマ娘コミカライズ『ウマ娘 シンデレラグレイ』はなかなかに盛り上がっているようですね。

この漫画はオグリキャップを主人公としています。

ウマ娘におけるオグリキャップは、アニメ以降どうにも”大食いのギャグ要員”として扱われている節があり、個人的に地方馬に思い入れのある私としては不満に思っていたところで。

まあ出番があるだけ文句は言えないのでしょうけど、そうは言ったってねえというところであったので、シンデレラグレイのオグリの描き方とそれを通してオグリを見直してもらえることはとても歓迎の出来ること。

毎週楽しみに購読しております。

 

 さて表題の件。

ウマ娘トレセン学園に所属し、そこでトレーナーと呼ばれる人からスカウトをされ、彼らの指導を受けながらレースに出走する。

オグリキャップの現在のトレーナーが表題の”北原穣”となります。

どうにもシンデレラグレイの感想などを見ていると、この北原穣、元騎手の安藤勝己(通称アンカツ)がモデルと見られているようですね。

……?いやいやいや そりゃなんでだ? 

個人的にこのことに違和感を感じているわけです。

とはいえ、なぜ北原=アンカツと見られているのか、これを知らないといけない。話はそれから。

 

まず整理すべきこととして、トレーナーって騎手がモデルなの?ということ。

結論。わかんない。

公式から明言されていないもんはわからない。

ハイ次。

 

北原って笠松においてどういうポジションのトレーナーなの?

これは1話を見ればなんとなくわかります。

柴崎から敬語を使われていることから中堅程度にはキャリアがあり、特待生のフジマサマーチを見て「まあうちには来ないだろうし」と言うくらいなのでトップトレーナーではなさそう。

2話では東海ダービーを「俺の夢」と語るのでダービーはとったことが無さそう。

 

さて、北原のポジションを考えた時、アンカツとどの程度被るのでしょう。

アンカツは1976年デビューで1978年にリーディングを獲得、1985年には東海ダービージョッキーとなった当地どころか地方全体でも1,2を争うトップジョッキー。

さらに、1980年には中央勝利をしている、となると、北原ととんと印象が合わないわけです。

 

 

なんで北原がアンカツであると言われはじめたのか。

あくまでも想像でしかないけれど、「読者のストーリーへの希望的観測」なのでしょう。

オグリは中央に移籍、それを追う様に北原も中央のトレーナー資格を取得し、中央でオグリと同じG1をとるサクセスストーリー… まあそんなところでしょうね。

それを託すにはウマ娘でもわかりやすいダイワスカーレットの主戦、安藤勝己がいるじゃないか、と。

 

多少地方競馬に自信のある方は思い出してみてほしいんです。

オグリキャップ笠松時代の主戦騎手は誰でしょうか。

せーので言ったら多分割れますよ。安藤勝己か、高橋一成か。

オグリキャップは元々主戦高橋一成、次点と調教を青木達彦で走っていたんです。

ところが高橋が研修で離脱、青木が骨折で離脱となった秋風ジュニアでアンカツが急遽乗ることになり、そのまま継戦することになった。

 

と考えると、どうにもやっぱりアンカツではないと思うんですよ。

アンカツはオグリに走りを教えてませんから。教えたのは青木でしょう、そりゃあ。

 

じゃああんたは北原って誰がモデルだと思ってるんだよ!となりそうですが、まあこれはもう条件に合う人いますから。

はい、笠松時代のオグリキャップの馬主、小栗孝一その人ですよ。

オグリの母ホワイトナルビーの現役時代の所有者、その子をすべて購入し笠松で走らせていた。

ダンシングキャップを配合すると言って反対されても押し切ったのは孝一で、調教師の鷲見と念願の東海ダービーを目指せると喜んだのも孝一で、中央移籍を打診され購買の依頼をことごとく断ったのも孝一で、最後に馬の名誉のためにと売却したのも孝一です。

オグリキャップの売却以後の1989年に中央の馬主資格を取得し、のちにオグリキャップの半妹オグリローマン桜花賞を勝っている。

もう条件ドンピシャですよ。

え?馬主が走りを教えるのかって?ハハハまさかそんなわけないでしょう。

そこは鷲見昌勇調教師の部分ですよ。

オグリキャップの沈み込む走り方の癖や柔軟性、バネについては鷲見調教師は何度も取材などで自分が気付いたと証言していますから。

あ、オグリローマン笠松時代の調教師って鷲見昌勇ですよ。これも条件に合う。

 

要するに、北原穣ってのは小栗孝一+鷲見昌勇、これをモデルにした人物と考える方がまだ自然じゃないのかな?って思うのです。

 

 

まあこんだけ長々考えてみても、結局は話作った人から「違うよ?」って言われたらお終いなんですけどね。

文学研究は作者が死んでからしなさいって言われたことを今になって思い出しましたわ。



追記

教えていただいたのですが、アンカツはオグリでのダービーは特に興味を持ってなかったそうです。

ダービーよりもJCへの出走を狙っていたそうです。